富士に虹が立った


【2007年7月3日 西川林道にて】
 4時に家を出た、暗い内にと思っていたが目覚ましを止めて寝てし まったのだ。東の空が紅くなり始めていた。西川林道へ行こうと決めていたが、その決心を揺す振られる位、綺麗な朝焼けの気配に、方向転換を誘われそうに なったが、我慢して西川林道を目指した。林道をクネクネと曲がりながら登って行き、車が東を向いた時には木立の間から、色付く朝焼けが見える。またまた浮 気心をくすぐられるが、じっと落ち着きいつものポイントへ着いた。
 大勢のカメラマンがいると思ったら1人いただけだった。
「色はこんなところですかね?」「イヤー!今からだよいい時に来たね!」お山の背景にある雲が色付いて来た。
河口湖から雲が湧き、嘯山(うそぶき)を覆い隠す様に流れる。
まるで岩肌を流れ落ちる滝、滝雲だ。雲は段々と紅くなる。
「凄いよ!凄いな~!西川でこんなの初めてだ~!」お互いにシャッター音が競争の様に、カシャ!カシャと鳴る。3台を受け持つ叔父さんは声が上ずり興奮気 味で、息も荒い。丁度その頃、エンジンの音がして1人やって来た、叔父さんの友人だった。携帯で連絡を取り合い、他の場所から来たのだった。僅かな時間で 支度し隣もカシャ!カシャ!始めた。
その時だ「虹だ!虹がッ立った~!」ファインダー内のお山でも虹が確認出来た。「凄い!凄いな~!今日はついてる! 虹が2本もだ~!」叔父さんは興奮しっぱなしだった。
 私も30分程の間に70枚撮った、短時間連射記録だ。
叔 父さんが舞い上がってくれたので、逆に冷静な気持ちでいられたのかも知れないが、1人で撮っていたら自分もハイになった事だろう。それにしても、叔父さん は何十年もこの場所でお山と対じして、最高の瞬間を向かえたのに、わずか3回目にしてこの幸運に巡り会えるとは強運の持ち主かもしれない。出来たら宝くじ も・・・・
そんな邪まな事を考えながら家路を急いだ。